訪問介護ヘルパーの労務管理 労働トラブルを防ぐ9つのポイント!
特殊なヘルパーの労務管理
訪問介護の事業では、訪問介護員、ホームヘルパー、ヘルパーなどと呼ばれる人が多数活躍しています。しかし、家庭を訪問した上でサービスを提供するため管理が難しい面があったり、契約形態が利用者のサービス利用状況に応じて不規則にシフトで勤務する場合が多かったりするなど、一般の事業所で勤務する場合と異なる勤務の実態があって、賃金や労働時間などに関する労働トラブルが発生しがちです。
そこで、労働トラブルを防ぐ9つのポイントを以下に、ご紹介いたします。
Point1 労働条件の明示
採用の際に、きちんと労働条件を理解して、納得した上で働いてもらうことはトラブルを防ぐ上で非常に重要です。そのため、労働基準法でも次の通り労働条件の明示を義務付けています。
|
(労働条件の明示) |
![]()
労働契約期間の明示
労働契約に期間の定めが有るのか、無いのかを明示しなければなりません。
1年や1ヶ月など期間を区切った労働契約(有期労働契約)を結ぶ場合は、契約期間を「有…平成○年○月○日から平成○年○月○日まで」などと明示ししておきます。
なお、詳しくは、「有期労働契約の締結更新及び雇止めに関する基準」に則って労働契約書などで明示します。
就業の場所、従事すべき業務、労働日、始業・終業の時刻、休憩時間
勤務時間が一定期間ごとに作成される勤務表によって特定される不規則な勤務の短時間労働者(非定型的パートタイムヘルパー)について、明示すべき事項が膨大になる場合は、Aについての考えを示した上で、就業規則の関係条項名、労働契約締結時点での勤務表を書面を交付することにより明示します。
Point2 労働時間の把握
訪問介護の業務に直接従事している時間だけでなく、移動時間、業務報告書の作成時間、待機時間、研修時間についても労働時間に該当する場合があり、使用者は適正に把握する必要があります。
Point3 休業手当
訪問介護事業では、利用者からのキャンセルや日程変更を理由としてヘルパーを突然休ませざるを得ないことがありえます。そのようなとき、欠勤扱いとして賃金を支払わないという対応をとっていることもあるかもしれません。しかし、このようなケースでは改善が必要とされます。なぜなら、労働者は決められた労働時間に働くつもりで用意をしているにもかかわらず、休業させることになれば、施設側の都合による休業だと労働基準法では考えます。その場合、休業手当の支払が必要になります。
|
(休業手当) |
Point4 賃金の改定
これは、ポイント2の労働時間の把握と密接な関係が有ります。ポイント2に則って今まで労働時間に算入していなかった時間を、新たに労働時間に算入することになったのであれば、当然その部分に対する賃金を支払わなければならなくなります。また、支払う賃金は最低賃金を下回らないようにしなければなりません。
Point5 年次有給休暇
短期間の労働契約を繰り返しているヘルパーの場合、有給休暇を付与していないケースもあるのではないでしょうか。しかし、そのような場合でも、雇入れの日から起算して6ヶ月間継続勤務し、全労働日の8割以上を出勤した場合は年次有給休暇を付与しなければなりません。なお、労働日数が少ない場合は、その所定労働日数に応じて、付与する年次有給休暇の日数が変わります(比例付与)。
Point6 就業規則
常時10人以上の労働者を使用する場合、就業規則を作成しなければなりません。短時間勤務のヘルパーでも「常時10人の以上の労働者」に含まれるため注意が必要です。また、作成された就業規則は、必ず労働者に周知しなければなりません。周知されなければ、いざというとき効力が認められない恐れがあるのです。
|
(作成及び届出の義務) |
|
〈労働契約法〉 |
Point7 労働者名簿、賃金台帳
短期間や短時間のヘルパーでも、労働者名簿及び賃金台帳の作成、保存が必要です。
|
(賃金台帳) (記録の保存) |
Point8 安全衛生
短期間や短時間のヘルパーでも、雇入れ時などには安全衛生教育が必要です。
Point9 労働保険
短期間や短時間のヘルパーでも、1人でも雇っている場合は労働保険(労災保険・雇用保険の総称)の加入が必要です。労災保険と雇用保険では、加入すべき範囲が異なりますので注意が必要です。
まとめ
ここまで、見ていただいてお気付きかも知れませんが、特殊な働き方をしているヘルパーだからといって、特別に労働基準法などのルールの対象から除外されているわけではありません。法律では、特別扱いをしていなので他の労働者と同様に労働基準法などが適用されると考えておくといいでしょう。
(参考)
これらの事項は厚生労働省から、「訪問介護労働者の法定労働条件の確保について(平成16年8月27日付 基発第0827001号)」という通達で指摘しています。
まとめ
ここまで、見ていただいてお気付きかも知れませんが、特殊な働き方をしているヘルパーだからといって、特別に労働基準法などのルールの対象から除外されているわけではありません。法律では、特別扱いをしていなので他の労働者と同様に労働基準法などが適用されると考えておくといいでしょう。
(参考)
これらの事項は厚生労働省から、「訪問介護労働者の法定労働条件の確保について(平成16年8月27日付 基発第0827001号)」という通達で指摘しています。


管理監督者として認められなかった場合に必要な残業代は次の通り。
重要な職務と権限・責任が与えられ、経営者と一体的な立場にあること
労務時間に関して自己の裁量があること
職務の重要性にふさわしい処遇(相応の給与及び賞与)を受けていること


